ぢゅんのblog

ギター機材、音作りtips、DTMについて

生ドラムの録音 位相合わせ・音作り

リハスタでバンド演奏一発撮りをした後のミックス作業について、

ずらずらと備忘録的に書いていきたいと思います。

今回はドラム編。

 

ドラムセットを複数マイクで録音すると必ず位相ズレが発生します。    
録音データがDAWに並んだら、まず行うことは各マイク音源の位相合わせです。    
合わせないと芯のある音が作れず、どんなプラグインをかけてもぼんやりとして抜けてこない音になりがちです。    

 


    
■位相合わせの手順    
    各音源の波形を拡大して見て、音の始まりを+スタートに揃えます。
    マイナススタートだった場合はフェイズスイッチで反転
1    スネアの表と裏を合わせる
2    トップマイク左右音量を合わせ、入り込んでいるスネアを目印にして波形タイミングを合わせる 
    
→    以降、トップマイクを基準にしてすべてのパーツの波形タイミングを合わせていく
3    スネアを合わせる
4    キックを合わせる
5    タムを合わせる
    
    リハスタ一発撮りの場合は、ボーカルトラックにドラムが大きくかぶって音が入り込んでいるので、こちらもタイミングを修正
6    トップマイクを基準にボーカルマイクを合わせる
    
タイミング的な基準は「トップマイク」    
トップのマイクには、ドラムセット全体の音が入り込んでいることがほとんど(シンバルだけを収録するのは不可能)なためです。

トップマイクを基盤にして、そこに各パーツを足していく、という手法です。

参考https://soundworksk.net/mix-workshop-063/    
    


■キック    
    コンプは2段がけ
    ①音量安定化
    アタック早め リリース遅め
    ②余韻をカットしタイトにする 
    アタック遅め リリース遅め
    
    EQで400~1K辺りを大幅カット
    アタック部分は8Kあたりと、4KHzあたりを調整
    アナライザーで主となる低音成分の周波数をWAVES ルネッサンスベースで増強
    Send→ベース用サイドチェインコンプへ
    キックはドラムバスに送らない
    
■スネア    
    表と裏をスネア用バスにまとめておく
    表はだいたい100Hz以下カット 裏は200Hz以下カット
    表と裏の音量バランスを調整
    アナライザーで帯域特性を確認し、
    200Hz付近にボトムの芯があるので、その少し上の倍音を削除しスッキリさせる
    2.5KHzまたは4KHz付近のアタックを強調
    76系コンプで3:1レシオ/5dbくらいリダクション
    セット全体の中での抜け感を重視 埋もれてたらコンプ後のEQで高域を突いてあげる
    音作りとしてスネア単体に派手めのリバーブかけるのもアリ
    ドラムバスへ出力
    
■トップ    
    全体をバランスよく録るために、スネアからの距離を左右均等にする
    シンバルからの距離は近すぎるとゴワゴワ言う
    タムを録らない場合は、シンバルから50cm以上 上にセット
    60Hz以下はカット
    スネアのアタック帯域だけピンポイントでダイナミックEQで少しカット
    400~500HzあたりがモワつくときはEQでカット
    ドラムバスへ出力
    
■タム    
    叩いてない部分はゲートで遮断
    タム用バス(ステレオ)にPANを振って送る
    タム用バスにH Compで少しコンプ
    80Hz以下はカット
    アタックが欲しい場合は3~4K付近をブースト
    シンバル被りを減少させるため、ダイナミックEQでタムが鳴っていないときは高域カット
    モワつく500Hz付近をカット
    
    
■ドラムバス    
    変なピークがあれば Q巾狭くしたEQでカット
    WAVES H Compステレオで 3~6db程度圧縮
    必要に応じて Punchを上げてアタック感を強調
    センドでルームリバーブをかけて一体感を付加
    
    キックが鳴ったときのピークを-10~-8db程度にしておくと、他の楽器を混ぜた時に
    ちょうどいい音量感になっていることが多い