ぢゅんのblog

ギター機材、音作りtips、DTMについて

Suhr PT15.IRをバンドで使ってみた

MyアンプのSuhr PT15.IR、自宅でライン出力で楽しんでいたわけですが、さすがに宝の持ち腐れ感があったので、実際にバンドのリハで使ってみることにしました。            
当然車での移動になるため、駐車場代も搬入の手間もかかりますが、スタジオ内での満足度が高ければ良い、と割り切れるかどうか。            
            
実際のバンドリハでの使用感をレポートしたいと思います。  

■この日のバンド内容・環境            
ワルキューレのコピバン            
ボーカル5人+ギターベースドラムキーボード+シーケンス
秋葉原ノアE1st (21畳)            
使用ギター Suhr Classic S 

f:id:junichidesuyo:20221018183947j:image
 
従来のFractal AX8でのライン出力から、機材変更により            
演奏内容や演奏環境に支障が出ないかどうかがひとつのポイント。            
            
            
■リハスタでの使用にあたっての懸念点     
(1)音色(自分の体感)が気持ちいいかどうか            

従来は、Fractal AX8のライン出しで直接PAに送っており、

自分用のモニターはライブハウス/リハスタのコロガシか、パラ出力のJC-120リターン挿しで対応してました。

最終的にライブハウスでPAを通して客席側の音が良ければOK。

あくまで他の楽器と混ざった状態を重視していて、その上でリハ中に自分の音が聞こえれば、(自分が)気持ち良いかどうかは二の次という考えでした。

なので、ここ数年はどこの部屋でも安定して他の楽器に混じりやすいという理由でライン出しでした。

ラインならではの良さはあれど、リハスタでの出音の気持ちよさはやはりアンプには叶わないと正直感じていて、たまにフェンダーのアンプを使うと「やっぱ真空管アンプは気持ちいいなぁ」と思っていました。        

 

 はっきり言ってココがダメだったら自前アンプを持つ意味すら無いんですが、「実際バンドで使ってみたら別に普通かな・・・」ってなる可能性もあったので。        
     
(2)マーシャル1960Aキャビによるモニタリング  

キャビを現地でレンタルする場合、マーシャル1960Aしか現実的に選択肢がないんですが、 4発キャビは昔から苦手でした        
●低音(ベースと被るくらいの帯域)が出すぎる    
●アンプからの距離や立ち位置によって音量感と音質が変わりすぎる    
アンプの正面だと高域ギラギラで爆音なのに、正面から外れるとモコモコだったり、聞こえづらかったり

●自分が聞いている音とバンドメンバーが聞いている音にギャップが生まれやすいイメージ    

1960Aを使いつつ、自分もバンドメンバーもやりやすい(聞きにくくない)モニタリングができるかどうか 

  
            
(3)アンプの出力15Wで音量不足が生じないか       
クリーンチャンネルでゲインおよびボリュームを上げていくと徐々に歪み始めるのですが、クリアな高域を維持したゲインのままで出せる音量の限界が割と小さいイメージがありました。      
実際にドラムベースと一緒に演奏するうえで、音量不足にならないかが心配。


(4)ノイズや音が出ないなどのトラブルがないか         

今回はアンプとの4ケーブルメソッドでエフェクトボードとの接続するため、

ボード⇔アンプの接続ケーブルの本数や接点が桁違いに増えることによるトラブルが発生しないかどうか懸念点。

電源系統ライン、音声信号ラインの両方で1か所でもトラブル発生すると、音が出なくなったりします。

問題箇所が特定できないと、その場では修復できない可能性もある。


            
従来使用していたAX8はそのあたりは完璧で、一度だけ電源が入らない故障があったが、修理後は1回もトラブルなし。5年間もスイッチ・ノブ・ジャック・液晶その他、不具合ゼロ。

どこでも安定した音が出て、音量・エフェクト・操作性もすべて1台で一括管理できる利便性はデジタルプロセッサーの素晴らしいところ。        
            
            
エフェクターボード            
今回の足元はこんな感じ。

f:id:junichidesuyo:20221018182607j:image   
試行錯誤段階のため、入れ替えやレイアウト変更すると思いますが。

            
ギターからBBプリアンプ→ VeroCity 547を通って、GT1000 coreへ。            
GT1000 coreのループ1にVemuram Jan Ray、ループ2にSuhr PT15.IRのプリアンプ部を挿入し、4ケーブルメソッドで接続しています。            
                       
PT15.IRの歪みはマーシャル系なのですが、ローミッドがふくよかでメタル系のザクザク刻みには向いていません。            
タイトでドンシャリなハイゲインを出したくて、VeroCityの547を導入してみました。    

       
■基本音色 

ゲインステージとしては下記5種類を基本に、各種エフェクターやブースターをプラスして音色づくりをしています。

(1) PT15のクリーンCh1

(2)PT15のクリーンCh1にJan Rayを乗せたクランチ

(3)PT15の歪チャンネル2(ミディアムゲイン)

(4)PT15の歪チャンネル3(ハイゲイン)

(5)VeroCity 547をアンプのリターンに接続したメタルトーン

(PT15のプリ部をスルーしてパワーアンプ直結状態)

            
            
■実際にバンドで使ってみて            
(1)音色(自分の体感)が気持ちいいかどうか            

アンプそのもののクリーンも歪みおよび、クリーンに乗せるJan Rayや547でのハイゲインも、まったく文句なしの気持ち良さでした!!!

     

「これこれ、これだよね!」ってホクホクする感じ。        
チューブアンプならではのサチュレーション、広いレンジ、レスポンスがあり、いつもより弾くことそのものが楽しかったです。        
たまに弾きにくさを感じるアンプもあるんですが、PT15IRに関しては非常に弾きやすかったです。

自宅でライン出力で弾いてるときよりも、サチュレーション強めに感じました。        
            
            
(2)マーシャル1960Aキャビによるモニタリング            

指向性の強さはやはりいかんともしがたく、ボーカルや鍵盤奏者の方向にアンプを向けるとやはりうるさそうにしてたので、ドラマーのほうに向けました。        
ドラマーからは「いつもよりギターが聞こえて気持ち良い」とのこと。        
やはり自分の立ち位置によってだいぶ聞こえ方が変わるので、        
ちょいちょい立ち位置を変更しながら聞こえやすいポジションを探す必要があります。  また他メンバーからも聞こえづらいとの声があり、ライン出力(IR)を併用してPAからも音出ししたところ、OKが出ました。        
 

低音がやはり強く出てしまう(特にクリーンで顕著)ので、このようなセッティングになりました。

f:id:junichidesuyo:20221018182822j:image
録音聞いたら、少し高域強めに感じたので、プレゼンスを絞ればだいたいOKになりそう。

それにしてもこの極端なEQはアンプがヘタっているのか、または故障してはいないか心配になるツマミ位置ではあります。   
            
(3)アンプの出力15Wでのクリーンの音量不足が生じないか            

クリーンのゲイン4、ボリューム4、マスターボリューム4で十分な音量が得られました。 高域がきれいなクリーンを保っていましたが、サチュレーション感は強めだったので、あと少し上げると歪み始める、という感じでしょうか。        
普通の音量のドラマーであれば、ひとまず普通に使える音量が出そうです。        
真空管の状態も影響ありそうなので、あくまで現時点では、という感じでしょうか。        
            
            
(4)ノイズや音が出ないなどのトラブル            
GT1000 core側である程度のノイズゲートはかけていたこともあり、Ch3のゲイン8でもかなりノイズレスでした。もうちょっとノイズゲート弱めてみようかなと思います。

(Suhrギターに載っているSSC2の恩恵もありそう)        
さすがにVerocity 547のゲインMAXは多少ノイズが乗りましたが、ボリュームペダルで十分対応可能。
ボード側でも特にガリやノイズ発生しているような様子はなく、接点不要もなさそうでした。        
            
ある程度乗せるエフェクターやレイアウトが決まれば、ボード内配線はきっちり固定してしまおうかと思います。

 

◼️総評

・出力15Wでも普通の音量のドラマーであれば対応可能

・マーシャル1960Aキャビと合わせると低音過多になりがちなので別途EQ追加など対策したほうが良さげ

・4発キャビの指向性は、キャビの向きとライン出し併用で対応可能

 

何より出音が気持ち良く、大きな不満や不都合も出なかったので次回リハも持っていきます!

 

◼️課題

IR(ライン出力)併用となると、IR側の音色作りにも気をつけないといけない点。

現状のシステムでは、PT15IRのキャビシミュからの出力しか選択できず、またこのライン出力だけに独立したEQなどはかけられないため、良い感じのIRを用意するか、ミキサーのEQで最終的な調整をするしか方法がない。

1960Aキャビの低音はGT1000 coreのEQをプリアンプの後段に配置して調整してみようかと思います。

 

機材追加は極力避けたいので試行錯誤します。