ぢゅんのblog

ギター機材、音作りtips、DTMについて

アコギ/エレキ兼用ボード アコギ編1

新調したアコギ/エレキ兼用ボードの詳細解説です。

今回はアコギで使用する場合のセットアップについて。

 

■システム全体    
ギター    
↓    
Tidemark Impress conc    
↓    
GT-1000 Core ⇔ ステレオセンドリターンにStrymon Bluesky    
↓    
DI
    
ギターからPAミキサーまでに音声信号が通過する機材は4つだけ、と非常にシンプルです。    

DIはハコにあるものをお借りする予定です。
    
    
■Tidemark  Impress Conc    

 

こんなにコンパクトなのに、2チャンネル入力ができるヘッドアンプです。    

ヘッドアンプとは、プリアンプの中の最初段に位置する回路です。

高価なマイクプリアンプはこのヘッドアンプ部分の性能・音質にこだわって作られています。

    
・音量UP 

・位相のズレを合わせる 
・二つのピックアップの音量を個別に調整    
・ノイズに強い信号(ローインピーダンス)に変換する    

 

音作りにおいてはピックアップと併せてここが心臓部であり、    
ここで根本的な音質が決まると言っても良いほど重要な役割を担っています。

 

僕のギターには2種類のピックアップ(コンタクトピエゾとマグネットピックアップ)が載っていますが、ともにパッシブのため出力はハイインピーダンス信号です。
ハイインピーダンスの状態で長いケーブルを使用するとノイズが混じってしまうので、ピックアップから出来る限り短い距離でインピーダンス変換をしたほうが    
音質的に有利、というわけです。    
実際、1Mのシールドと3Mシールドを比較すると結構S/Nが変わります。    

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Impress concは小さくて軽くストラップにくくりつけられるので、

足元にプリアンプを置くよりも短い距離でインピーダンス変換ができます。  

 

 

肝心の音質も、非常に音域レンジが広く、特に低域が豊かで音が太いです。 
搭載しているマグネチックピックアップのSUNRISE S2の特徴的な低域をスポイルせずにアウトプットできます。    
    


ギターから直接GT-1000 Coreにつないでも音は出るのですが、僕の場合は上記の理由で  必ずこれを通すようにしています。    

エンドピンから1MのTRSケーブルでImpress Concに入力し、Yケーブルで出力します。    
    


■GT1000 Core

アコギの時はなるべくデジタルエフェクターは使わないようにしていました。

AD/DAを挟むと、アコギのおいしい成分が抜け落ちてしまうような感触があったのです。

が、GT-1000Coreは違いました。

32bit/96KHzのスペックは伊達じゃない!

 

解像度が非常に高いので、アコギで出てほしいニュアンスが損なわれません。

何もエフェクトを通さない状態で音の劣化を感じない、というのが導入の決め手でした。

 

GT-1000 Core内部のルーティングはこんな感じです。


ピエゾの音をR、マグネットの音をLに入力します。    
最初段にDividerを設置して、マグとピエゾのラインに分け、それぞれにノイズサプレッサー、コンプ、アンプ、EQを差し、別々の設定で音作りします。    

■各ピックアップの音づくり
・ピエゾ側  
アンプセクションは一番色付けの少ないTranseparentを選択。    

アンプではほぼ音量調整だけして、
その後段に置いたEQでモワっとするミドル帯域(800Hz~1KHzあたり)を削っています。    
    
    
ピエゾのラインには、センドリターンでStrymonのBlueskyリバーブを薄くかけています。    
ステレオで処理しているため、モノラルより解像度・立体感を上げています。    
ボディをたたいたときに、「コン」が「コンッ」になる程度の余韻を付加します。    
ピエゾのラインには他のエフェクトはなにもかけません。    


ピエゾの役割は空気感です。

マグでは得られないふくよかさ、柔らかさとトップ板が鳴るニュアンスがキモ。

音の芯となるマグの周囲にまとわりつかせるようなイメージで音作りをしています。    

 

・マグネチック
ピエゾと同様に、アンプのEQではなく後段のEQで細かく音作りします。    
マグのラインには各種エフェクト(コーラス・トレモロ・シマー・ディレイ・リバーブ)を配置しています。    


どのエフェクトもダイレクトレベル(元音)は100%にしており、    
on/offしても元音には何も変化がないようにしておきます。    
    
マグのほうが芯が太く、はっきりした音でエフェクト乗りが良いため、    
ピエゾよりもマグで積極的な音作りをし、エフェクト効果をプラスする方向で調整します。    


    
・ピエゾとマグをミックス    
このようにピエゾとマグ、それぞれ別の音作りをしたあとミックスしていきます。  
ミックス比率は、ピエゾ50:マグ50 を基本にしてますが、気分や曲によってマグ多めにしたりもします。   

マグだけだとエレキっぽくなってしまうので、ピエゾを混ぜることでよりリアリティのある音に仕上がります。

 

ドラムベースキーボードなどがいるいわゆるバンド編成のときは、マグ多めにしたほうがバンド内で抜ける音が作りやすいです。

 

アコースティックの小編成の時は、ピエゾ比率を増やすと生っぽい音に近づきますが、反面ハウりやすくなる印象です。

 

・ミックス後の処理

ブースター代わりのEQと仕上微調整用のEQを配置してステレオでアウト。    
ブースト時は低音がハウリングポイントの引き金になったりするので、ローカット(80Hz)を入れています。

 

次回はGT-1000Coreのノブやフットスイッチの使い方、MIDIコントローラーについて。